冷たい肉そばってどんな料理?

鶏だしでしょうゆ味の、冷たいスープのそばです。

鶏ダシで醤油味の、冷たい汁そばです。


 肉といっても、豚でも牛でもなく、鶏肉(親鳥)を使っています。コクのあるダシに負けないようなコシの強い田舎蕎麦が特徴。そばの上には、コリコリとした食感がくせになる『親鳥』と小口切りの『ねぎ』がのるシンプルかつ奥深いそばです。
素朴でありながら一度食べるとまた食べたくなる・・・長い間地元の人々に愛され続けてきた故郷の味です。

発祥のヒミツ:実は人気の裏メニューだった?!

 戦前、河北町で“ちょっと一杯”といったら「そば屋で」が主流だった。というか、お酒を飲める場所はおそば屋しかなかった。
当時はメニューの種類も少なく、ほとんどのお客さんが馬肉を煮たものをおつまみにお酒を飲み、盛りそばでしめるというスタイルだったそうだ。盛りそばというとザルにのったそばを思い浮かべるが、当時はどんぶりに入れてお客に出していた。
一人のお客さんがある日、残った馬肉の煮込みをそばにかけて食べてみたところ思いのほか美味しく、馴染みのお客さんたちから注文されるようになったという。今で言う「人気の裏メニュー」というころか。
この料理は、お客さんのリクエストから生まれた料理なのです。

 

なぜ冷たいの?: 酒好きならではの理由

 でも、なぜ温かいそばではなく、冷たいのか?という疑問が残る。その理由は、冷たければそばが伸びにくいこと。肉そばを頼んで、まず上にのった肉をつまみに一杯。最後にそばとつゆで〆る。だから汁が冷たければ時間が経っても最後まで美味しく頂くことが出来るのだ。

 

河北町名物として: 「そば」と言ったら「冷たい肉そば」

 河北町でそばと言ったら、天ぷらそばでも、タヌキそばでも、月見そばでも、ざるそばでもなく、冷たい肉そばです。雪が深々と降り積もる寒い冬でも町民の8,9割のお客さんは冷たい肉そばを食べるのです。
今では、子供からご年配の方々まで幅広く愛される郷土食として河北町名物になりました。おそらく、河北町に来られた方は必ずといって良いほど一度は食べて行かれる料理だと思います。お客様をそばでもてなす習慣があるのもこの料理が地元に根付いている証かもしれません。
河北町には肉そばを食べられるお店が13店舗あり、「谷地(やち)の肉そば会」として味を守り続けています。

 

本当のことです!!: 真冬に冷たい肉そば

 「家庭の味 冷たい肉そば選手権」が大好評。2010年1月10日、雪のちらつく真冬に屋外で開いたイベントの様子です。気温5℃の寒空の下、1時間以上も並んで冷たい肉そばを食べる。
ね?冷たい肉そばって愛されているでしょ!